介護福祉の資格には、就職・転職に有利なものと、それほどでもないものとがあります。
ハローワーク(職安)を窓口とした公的機関の職業訓練であれば、授業料は無料。自己負担はテキスト代等のみという激安の受講費用。おもに離職中の社会人を対象として行われています。
しかし、いくら激安でも、3か月~2年という時間があまり意義のないものになってしまってはもったいないです。そこで今回の記事では、「就職・転職に有利な介護福祉資格」についてまとめておきたいと思います。
■介護関連職種の求人倍率は2倍前後
2014年1月のデータですと、介護関連職種の求人倍率は2倍前後。仕事を探している人1人に対して2件前後の求人があることを示しています。
(参考)
・日経新聞:6割超の職種で人手不足 1月求人倍率、建設など3倍台
(2014年3月1日)
■就職に役立つ3つの介護福祉資格
職業訓練で実施されていている講座の中で、とくに就職・転職に有利と言われている介護資格講座は次の3つです。
・介護職員初任者研修課程(旧 ホームヘルパー2級)
・介護福祉士実務者研修課程
・介護福祉士(国家資格)
訪問介護の仕事は、初任者研修か、実務者研修、あるいは介護福祉士の資格を持っていないとすることができません。「その資格がないとできない仕事がある」ということで、就職に役立ちます。
ヘルパーの国家資格は介護福祉士。ですので、長く介護の仕事をしていこうというのであれば、介護福祉士をめざすことになります。
社会人の場合は、まず初任者研修を修了してから就職。その後、働きながら実務者研修を経て介護福祉士試験を受けようと考えている人が多いようです。ですが、介護福祉の仕事を長く続けていこうと思っている場合には、初任者研修を飛ばして実務者研修や介護福祉士養成講座から勉強をスタートするのもアリです。
■介護職員初任者研修
介護職員初任者の資格は、訪問介護をする際に必要になります。訪問介護以外では、必ずしも必須ではなく、無資格で施設(老人ホーム)などで働くことはできます。ですが、求人の際には、資格を持っていない人よりも、持っている人が優先される傾向があります。
介護初任者研修の授業時間数は130時間。資格の取得方法は、「通学」あるいは「通信+通学」。講座の最後に確認テスト的な筆記試験があり、それに受かれば取得できます。
期間としては、職業訓練では3か月ほどの講習会が多いです。
初任者研修については、当ブログの次の記事でまとめています。
・【まとめ】ヘルパー2級と介護職員初任者研修課程の違い
■介護福祉士実務者研修
介護職員実務者研修は、初任者研修の上位資格。2017年1月(2017年度)の介護福祉士試験からは、修了が義務付けられます(実務経験ルートの場合)。
受講資格はとくになし。
授業時間数は450時間で、期間はおおむね6か月。ホームヘルパー2級や初任者研修を修了した人は、130時間分が差し引かれて320時間分の授業を消化することになります。
介護実務者研修の資格の取得方法は、「通学」または「通学+通信」で450時間分の授業の消化して、講座の中で行われる実技試験にパスすると修了できます。
期間としては、職業訓練では6か月ほどの講習会が多いです。
実務者研修については、当ブログの以下の記事で取り上げています。
・【スッキリわかる】介護職員基礎研修と介護福祉士実務者研修の違い
■介護福祉士(国家資格)
介護の仕事の国家資格です。求人の際には、初任者研修や実務者研修修了者よりも有利だと言われます。
取得方法ですが、次の3つのルートがあります。
1、「実務者研修と実務経験3年以上」を経て受験するルート
2、福祉系の高校を経由で受験するルート
3、養成施設を経て介護福祉士試験を受けるルート
実務経験ルートの場合、2017年1月の試験から、実務経験3年に加えて介護職員実務者研修を修了することが必須になります。この資格要件を満たし、かつ国家試験(筆記試験)に合格すると取得できます。
期間としては、職業訓練では2年ほどの養成講座(上記の3の養成施設に相当)になります。養成施設のメリットは、「3年の実務経験が必要なくなること」や「介護福祉士試験の実技試験が免除になること」などがあります。加えて、職業訓練なら、雇用保険に入っている人の場合、失業保険の給付期間延長制度があります。
■実務経験ルート
実務経験を経て介護福祉士になるルートは次のとおりになります。
介護職員初任者研修(旧 ヘルパー2級)
↓
介護福祉士実務者研修
↓
介護福祉士(国家資格)
※初任者研修を飛ばして実務者研修を修了することも可能。
初任者研修と実務者研修の難易度はやさしく、ほとんどの人が修了できているようです。介護福祉士は国家資格ではありますが、合格率は例年 50%~60%前後となっています。
■求職者支援訓練と公共職業訓練
職業訓練校は、大きく2種類。公共職業訓練と求職者支援訓練があります。ともに、主として離職した社会人が対象。
求職者支援訓練の対象は、離職中の社会人で、雇用保険に加入していない人。具体的には、転職活動中の社会人(雇用保険に入っていない場合)や、主婦、フリーターなどが当てはまります。
求職者支援訓練では初任者研修と実務者研修。公共職業訓練では初任者研修と実務者研修、そして介護福祉士養成講座が実施されています。
■職業訓練受講給付金
求職者支援訓練の場合、「月収が8万円以下」などの審査条件に合えば、月々10万円の職業訓練受講給付金をもらいながら訓練を受けることもできます。
くわしくは、当ブログの次の記事をご覧ください。
・【月々10万円】ハローワーク 職業訓練給付金の受給条件とは
公共職業訓練の場合は、訓練期間中、失業保険延長給付の制度があります。
■最新の訓練の探し方
公共職業訓練は、厚生労働省のHPの中にリンク集があります。
(公共職業訓練 検索ページ)
・厚労省のHP:公共職業訓練
東京都の場合は、次のページで公共職業訓練を探すことができます。
(東京都の公共職業訓練)
・TOKYOはたらくネット
求職者支援訓練は、次のHPなどで調べます。
(求職者支援訓練 検索ページ)
・求職者支援訓練認定コース情報検索システム
■職業訓練 公式ページ
職業訓練の公式ページは以下になります。
(職業訓練 公式ページ)
・職業訓練のご案内
■競争倍率
東京都の公共職業訓練のページには、過去に実施した民間委託訓練の競争倍率が掲載されています。
東京都の2014年5月入学の公共職業訓練の場合、介護職員初任者研修(旧 ホームヘルパー2級)の倍率は 1・6~1・8倍程度。同じく東京都の2014年4月入学の介護福祉士養成講座の競争倍率は平均 0・60倍でした。
職業訓練の競争倍率については、当ブログの以下の記事をご覧ください。
・【2014年】 職業訓練の倍率ってどのくらいなの?
■窓口
職業訓練の窓口はハローワーク。わからないことは、ハローワークに直接聞くのが手っ取り早くて正確です。
(ハローワークの連絡先と場所)
・厚生労働省HP:全国ハローワークの所在地と電話番号
■有料の講座も一緒に検討
職業訓練は、格安の受講料ということで、競争倍率が高くなることがあります。面接などがあり、必ずしも希望者全員が受講できるとは限りません。ですので、有料の資格取得学校も一緒に調べておくことをおすすめします。
介護系の資格学校としては、ニチイ学館や、三幸福祉カレッジ、ソラスト、ハクビ、未来ケアカレッジなどがよく知られています。
介護福祉士試験対策の通信講座ですと、ユーキャンなどが有名です。
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